パリのデザインアトリエで日本人デザイナーが活躍

 

 

僕らは皆んな貧乏だった

僕の事務所でデザインをするようになった絵描き達は、みんな貧乏だった。
僕も貧乏だった。
昼メシは食材料を買ってきて順番に料理を作った。
全く料理をしたことのないもの達が作る料理だけに大変だった。

 

そのうちに、パリへ料理を勉強に来ている日本からの若者が出入りするようになって我々の昼飯を作ってくれ、その時はさすがに美味いものが食べられた。
毎日がドタバタやりながら何とか一生懸命過ごしていた。

 

 

パリのデザインアトリエで日本人デザイナーが活躍

僕がパリへ来てから、パリで会う日本との人脈も増え、ファッション関係やデザイン関係で頼まれる仕事もあって忙しくなった。
そんな中でパリへプリント生地用のデザインを買いに行くので、僕に案内を頼むと言ってくる日本からのバイヤーも多かった。

 

そんな時は、前回に触れた、日本人の女性デザイナーがいるデザインアトリエも訪れた。
日本のバイヤーからはこのデザインアトリエは評判が良くなった。
アトリエ主人に聞いて、後で分かったことだが、このアトリエのデザインレベルが上がったのは新しい日本人のデザイナーのせいであるということだった。

 

僕の事務所はパリオペラ座のそばにあった。
パリのデザインアトリエの代表的なものもその近くにあった。
その中の一つに彼女が勤めるアトリエもあった。
このアトリエへバイヤーを案内して訪問する機会が増えた。

 

 

僕のアトリエで出来上がるデザインも少しは売れるようになった

僕のアトリエででき上がるデザインの方も少しずつ売れるようになった。
少しは売れるようになったので、赤字を脱してホッとした。

 

このまま優秀なデザイナーが育って他のデザインアトリエのようになれたらと思う毎日だったが、そうはいかなかった。
節約生活は変わらない。
しかし、我々はパリの生活を楽しんでいた。

 

プロフィール

名前はコウゲン。
田舎のお寺の長男に生まれ、坊主になりたくなかった僕は、とにかく遠くへ逃げたかった。
出来れば外国へ。
その夢が実現してパリに10年住んだ後、日本に帰国してジュエリーブランドを創業。

 

 

前回までのあらすじ

・ファッション資料を求めて、フランス移住【コウゲン編1】
https://imac-j.com/blog/france/1502/
・フランス移住後、ゼネストと仕事【コウゲン編2】

https://imac-j.com/blog/france/1506/

・パリでの初仕事～通訳事件【コウゲン編3】

https://imac-j.com/blog/france/1650/

・リヨンでの発見【コウゲン編4】

https://imac-j.com/blog/france/1768/

・パリに着いて1年後【コウゲン編5】

https://imac-j.com/blog/france/1773/

・リヨンとギニョール人形劇【コウゲン編6】

https://imac-j.com/blog/france/1812/

・パリの食生活【コウゲン編7】

https://imac-j.com/blog/france/1816/

・パリのファッションの変化【コウゲン編8】

https://imac-j.com/blog/france/1818/

・パリでファッションカメラマンになる【コウゲン編9】

https://imac-j.com/blog/france/1820/

・フランスから物申す～我が社の経営陣に問題あり【コウゲン編10】

https://imac-j.com/blog/france/1829/

・フランスから一時帰国【コウゲン編11】

https://imac-j.com/blog/france/1831/

・フランスから一時帰国、そして手に汗握る攻防戦【コウゲン編12】

https://imac-j.com/blog/france/1833/

・パリに帰りたい【コウゲン編13】

https://imac-j.com/blog/france/1835/

・ふたたびパリへ【コウゲン編14】
https://imac-j.com/blog/france/1838/

・パリで新しいスタート【コウゲン編15】

https://imac-j.com/blog/france/1840/

・パリでデザインアトリエ経営【コウゲン編16】

https://imac-j.com/blog/france/1863/