パリのデザインアトリエで日本人デザイナーが活躍     僕らは皆んな貧乏だった 僕の事務所でデザインをするようになった絵描き達は、みんな貧乏だった。 僕も貧乏だった。 昼メシは食材料を買ってきて順番に料理を作った。 全く料理をしたことのないもの達が作る料理だけに大変だった。 &n...

パリでデザインアトリエ経営     僕のデザインアトリエは赤字続き 僕ははからずも、パリのオペラ通りのすぐそばという、いい場所で事務所を持つことになった。 その頃、絵描きになるべくパリへ来ている若い日本人が、何故か僕の所に頼って来るようになっていた。   僕の事務所は充分...

パリで新しいスタート     いちから出直し 自分達で設立した会社とけんか別れして、とにかくパリへ帰りたい一念で戻ってきた。 さいわい今までの縁もあって、何とか生活の目処もたった。 もちろん、ギリギリの節約生活であることには変わりなかった。 しかし、そんなことは僕には全く問題ではな...

ふたたびパリへ     パリへ帰ってきた パリへ帰ってきた。 もう日本の本社との間で不愉快な思いをすることはない。 その代わり、これからは自分で収入を得なければならない。 すぐには何の方策もない。   楽観的な僕も、この時ばかりは少し暗くなった。 こんなに重...

パリに帰りたい     最後の話合い 我がN 社の今回の問題点は、こうだ。 パリで我が社にとって大事な仕事を1人でしている僕に対して、送金を遅らせてその生活を脅かすようなことをして、その挙句その事に敏速に応じようとしなかったと言うことだ。 送金がなくそれでも誰の助けもなく、パリで生活...

フランスから一時帰国、そして手に汗握る攻防戦     大阪での話合い 僕は話をするために大阪に帰った。 僕がパリへ行く前には、我々設立者5人の中で1番年配の先輩が社長になっていた。 しかし売る商品が充分なかったので、会社は行き詰まり社長はやる気をなくした。   そこ...

フランスから一時帰国   一時帰国の航空券代がない 我がN 社の社長に 『日本に帰って話をしたい。』 と電話で言うと、僕の口調から怒っているのが分かるのか、すぐには僕が一時的に帰国をすることに応じない。 帰国するために必要な航空券代を送金しようとしないのだ。 僕ははっきりと電話でも、怒っ...

フランスから物申す～我が社の経営陣に問題あり     我がN 社からの送金こない 1970年代になって、パリでは新しい流れのファッションはKENZOなどの若いクチュリエ（ファッションデザイナー）を中心に、ますます盛んになった。 それにつれて日本の繊維産業関係の景気も良くなって、わがN社...

パリでファッションカメラマンになる     ファッションに目覚める 『5月革命』後のパリでは、人々は今までの生活を取り戻し、僕も自分の仕事に専念できるようになった。 僕たちの日本の会社「N社」は僕がパリで手配したデザイン画、ファッション資料、ファッション情報などを販売することで、経営状...

パリのファッションの変化     パリのファッション パリに来た時、僕自身はファッションにはそれほど関心がある方ではなかった。 しかし、自分達のビジネスがファッションデザイン、ファッション資料など常にファッションがテーマだったので当然、ファッションの事には関心を持つようになった。 &...

パリの食生活     パリでの僕の食生活 パリへ住むようになってからの僕の食生活は、それはみじめなものだった。 と言うのは、奈良の田舎で育っただけに、僕の食習慣は野菜中心の完全和式だった。 当時は日本ででも朝はパンを食べると言う人も多かったが、僕はまだ、ご飯派だった。  ...

リヨンとギニョール人形劇     ギニョール人形劇、200年ほど前リヨンで始まる 前回、絹織物で栄えたリヨンにあるデザインアトリエに行ったことに触れたが、そのリヨンで僕は変わった経験をした。   200年前のリヨンは絹織物の生産地として栄えていた。 そこで働いていたこの地...