ネパールでデザイン、そして釈迦のルーツの旅

 

 

Cさんはネパールのメーカーを見つけた

あるシーズン、パリにいるデザイナーCさんから、パリの展示会で素晴らしいショールのメーカーを見つけたと言う連絡を受けた。
どこの国のメーカーかというと、ネパールだという。

 

送ってきたサンプルを見ると、なるほど、Cさんが言う通り、素材といいデザイン、カラーなどもオリジナリティがあってかなりのものだ。
メーカーの手作りで彼らの工場に行けばこちらのデザインで作ることができるという。

 

Cさんはそれに惹かれて、ネパールに行ってみたいという。
ネパールは知った国だ。

 

それに、お釈迦様が生まれた国だ。
僕も行ってみたい。

 

 

僕らはネパールへ行った

僕らは、タイの工房TNさん達と仕事をして、その後、バンコクから空路ネパールへ行き、そのメーカーの工場があるカトマンズへ行った。

 

僕らは
「ナマステ！」
と工場で働いている人たちに挨拶して入っていく。

 

みんなすぐ笑顔になる。
それ以上ネパール語は、もちろんできない。

 

ネパールは小さい国だけれど、いろんな民族がいて、数ヶ国語が話されているという。
メーカー自身はパリの展示会に来るぐらいだから、英語ができるので問題はない。

 

作業を見ているとかなりの手作業だ。
手作りでしかできない良さのある商品ができ上がっていく。

 

Cさんが惚れ込むはずだ。
Cさんが描いたデザインがすぐサンプルになって、待っている僕らは見ることができた。

 

Cさんは新しいシリーズを、来シーズン発表できる。

 

 

僕らはお釈迦様の生まれたルンビニへ行った

僕はネパールのメーカーLLさんに、
「Big buddha お釈迦様の生まれた場所、ルンビニへ行きたいが、どう行ったら良いか」
とたずねた。

 

彼の兄弟が旅行代理会社をやっているので、詳しい。
カトマンズからバイワラ空港まで行って、そこから20キロ余りなので、タクシーがあるということだ。

 

ルンビニへ行けば自転車タクシーもあるので便利だという。
ついでに、彼らに釈迦に着いて聞いたが、ネパールではインドと違って、ヒンズー教も信じるが、同時に仏教を信じる人も多いらしい。

 

僕らは飛行機でルンビニへ行った。
飛行機はヒマラヤ山脈に沿って飛んでいく。

 

ちょうど天気が良かったので、雪のヒマラヤが綺麗で、僕は至福の時を、約１時間過ごした。
バイワラ空港から、タクシーでルンビニに着いた。

 

 

ルンビニは暑かった

ネパールはこの時期は暑い。

 

釈迦族の王子だったゴータマ・シッダルタが生まれた場所に行った。
紀元前450年ごろだという。

 

そして35歳ごろに悟りを開き、80歳で生涯を終わるまで当時の北インドを中心に、行脚を続け教えを広め回ったという。
この釈迦生誕の地であるルンビニのことは、発掘、発見された当時のインド国のアショカ王の建てた石柱の碑文に記せられた文で、釈迦が実在したこと、ここルンビニで生まれたことなどがわかったという。

 

7世紀には中国の玄奘三蔵法師もここを訪れたと、その手記（大唐西域記）に記しているという。
当時にはアショカ王の石柱は立っていたのだろう。

 

こんな暑い日でも、お釈迦様は歩いてインド中を周り、教えを伝え、玄奘三蔵は中国から何千キロも歩いて、釈迦の教えを求めて、ここルンビニまで来て、経典を持ち帰って、それを翻訳した。

 

そんなことを思いながら、僕たちは少し悪いと思いながら、楽をして、ルンビニを自転車タクシーで見て回り、それでも
「暑い、暑い」
と言いながらルンビニを後にした。

 

 

 

プロフィール

名前はコウゲン。
田舎のお寺の長男に生まれ、坊主になりたくなかった僕は、とにかく遠くへ逃げたかった。
出来れば外国へ。
その夢が実現してパリに10年住んだ後、日本に帰国してジュエリーブランドを創業。

帰国後に図らずも住職になってしまったものの、外国とのコンタクトは続く。