インド更紗を求めてインドへ【コウゲン編112】

インド更紗を求めてインドへ

 

インドのタージマハル

 

Victoria & Albert Museumで見たインド更紗を求めて

僕らはインドに行った。

 

僕らの頭にはいつも、ロンドンのVictoria& Albert Museum(ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館)のインド館で見た沢山の細密なデザインの綿織物の刺繍柄があった。
インドには、細やかな職人技による織物柄やプリント柄が今もどこかで作られているはずだと思い込んでいた。

 

ちょうどこの頃開かれていた生地・アパレル展示会に行ってみた。
僕らが期待していたような物は全くなかった。

 

全体にラフで、粗い感じのものが多い。
細やかさを感じさせるものはなかった。
粗さ、自然さ、ナチュラルさの魅力を持ったものは多く見かけられたが。

 

ロンドンで見たのは、17世紀、18世紀のインドで作られたものだった。
当時のイギリスによる東インド会社により、イギリスに数多く輸入され大評判を呼んだとされる、インド更紗(サラサ)だ。
その繊細な技術は、インドの展示会では全く見られなかった。

 

 

インドの悲劇と産業革命

後で聞いたり、調べたりしたところによると、その理由としては、それから長いイギリスの支配を受けたインドの悲劇が見えてきた。

 

17世紀後半から、東インド会社によりイギリスに輸入された、インド製の軽くて、薄いキャラコと呼ばれる綿生地があった。
今まで羊によるウールしかなかったヨーロッパで大人気となった。
まして繊細な刺繍を施したインド更紗は、ハイファションとして貴重なものになったという。

 

夏の肌着やカーテン、その他ウールではできない物が、インドから持ち込まれた綿生地で作ることができる。
ヨーロッパでは気候のせいで、綿花は育たなかったらしい。
それまではヨーロッパには綿織物がなかった。
そこにインド製の、見たこともない薄い細やかな綿生地が出回ったのだ。

 

そこまではよかった。
その後の歴史上のことでインドから、綿生地や更紗の職人技術が消えていくことになる。

 

賢いイギリス人は考えた。
インドからの綿織物は国としての大利益になった。
それまではウールの生産が多かったのが、ヨーロッパの中で過当競争になっていた時だったこともあり、こんなによく売れる綿生地を自分達で作ろうと。

 

そのためにはインドに綿花だけ作らせ、生地はイギリスが作る。
インド製の生地は上質で安かったので、イギリスで作ったものは質の点でも、競争にならなかった。

 

そこでインド製が輸入されると、高い関税をかけて売れないようにした。
そんな風にして、インドからは綿花だけを輸入するようにしたのだ。

 

当時進行した産業革命は、このイギリスの綿工業から始まったと言われる。
インドには綿花の栽培は奨励するが、生地生産技術はむしろなくしていく方に持っていったという。

 

この時からイギリスの羊毛工業は、綿工業に転換し、産業革命に進んでいった。
その結果として17世紀、18世紀にインドにあった見事な綿織物文化が完全に消えてしまったということらしい。

 

 

僕らは少しがっかりして、腹をこわして日本に帰った

僕らが今のインドで、いくら探しても、それはないはずだ。
インド滞在中は、インドカレーをイヤほど食べて、腹をこわして日本に帰った。

 

それだけに今度、デザイナーCさんがパリで見つけたインドのショールメーカーは貴重な存在になる。
Cさんが選んだもの見ると織物とプリント柄を組み合わせたりして、他では見られない細やかさと、配色の妙がある。

 

 

 

プロフィール

水彩風の男性写真

名前はコウゲン。
田舎のお寺の長男に生まれ、坊主になりたくなかった僕は、とにかく遠くへ逃げたかった。
出来れば外国へ。
その夢が実現してパリに10年住んだ後、日本に帰国してジュエリーブランドを創業。

帰国後に図らずも住職になってしまったものの、外国とのコンタクトは続く。

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代表者名 奥谷千賀子(オクヤ チカコ)
E-mail info@imac-jewelry.com

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