シルバージュエリーを求めてカトマンズへ【コウゲン編90】

シルバージュエリーを求めてカトマンズへ

 

ネパールのカトマンズの風景

 

シルバージュエリーを作りにカトマンズへ行く

その頃僕らはネパールへも行った。

 

その頃Cさんはジュエリーデザインに集中していて、シルバーでもアクセサリーを作りたいと考えていた。
いろいろ調べてみると、ネパールでは伝統的に手作りのシルバージュエリーが作られているという。
それ以上のことはわからない。

 

僕らは、では行ってみるしかないと考えた。

 

僕らがパリに住んでいた頃ヒッピーの時代は、金もない多くの若者たちが自由に暮らせる場所を求めて、世界を放浪していた。
そんな若者たちが集まったのが、まだ近代化の進んでいない国ネパールのカトマンズの街だった。

 

当時のカトマンズはヒッピーの聖地のように言われていた。
しかし、今はその空気は冷めてしまっている.

 

そんなわけでカトマンズの都市名は知っていたので、そこでシルバージュエリーができるのであれば行こうということになった。

 

調べてみると、ネパールへ行く前には狂犬病の予防注射をして行った方がよいと言われた.
ということは、様々な分野でまだ遅れた状態の国であることが想像される。

 

東京で狂犬病の注射を打ってカトマンズへ出発した。

 

カトマンズへ着いて、タイムスリップ

カトマンズへ着いた。

 

ネパールの首府だからもう少し都会らしい街を想像していたが、やっぱりそうではなかった。
広い道路を歩いても自動車も少ない。

 

広い土の道路の真ん中に木が生えていたり、雑草が生えていたり、そしてやっぱり野犬が歩いていた。
注意せねばならない。

 

どこで誰に聞いたらいいのか、皆目わからない.
カトマンズには日本領事館があると聞いていたので、そこでシルバージュエリーのことについて聞くしかないと思った。

 

タクシーを探したが見つからない。
歩いても行ける距離だと言う。
歩くしかない。
犬に注意しながら歩いて行った。

 

領事館の人は親切に対応してくれた。
ネパールに手作りのシルバージュエリーを作っているところがあると聞いてきた旨、説明して、情報を聞いた。

 

領事館の人はすぐに
「この人ならいいでしょう」
と連絡を取ってくれた。

 

紹介してもらったのは、英語ができて自分でビジネスをしているという、「サキャ(SAKYA)」と名乗る若いネパール人だった。

 

彼といろいろ打ち合わせをして、翌日からシルバー製品を昔から作っている地区へ見に行こうということになった。

 

彼の車で人々が仕事をしているところを見て回った。
そこはカトマンズのメイン地区だった。

 

そこでの僕の第一印象は、中世の街にタイムスリップしたような感じだった。
道路は舗装されていない。

 

シルバー製品の作業をしている人も、土間にむしろのようなものを敷いて、その上に座って、火で溶かしたシルバーを型に流し込んで作業していた。
家も土づくり、木造りのものが多い。

 

僕はこのタイムスリップに感激した。
恐らく1960年代、70年代にカトマンズに多く住み着いたヒッピー達もそんな感じの魅力を、この街に覚えたのかもしれない。
しかし今はヒッピーの姿は全くない。

 

サキャさんは僕らをカトマンズの街を一通り案内してくれた。
そして僕たちが求めている手作りのシルバージュエリーについて詳しく説明して、いいものができれば注文したいと話した。
彼は僕らの要求を叶えるべく色々と努力してくれたが、結局は我々とのビジネスは実現しなかった.

 

 

サキャさんは釈迦族の末裔、ウソではない

だが僕に取っては、カトマンズは深く印象に残る街になった。

 

そしてずっと後になってから、サキャ(SAKYA)さんと言う名前は僕に取っては忘れられない名前になった.

 

というのは、以前の記事で書いたように、僕は住職試験を受けるために、仏教についてにわか勉強をする羽目になった。
仏教史を読んでいて、その中に
「釈迦は釈迦族の出身である」
という説明があった。

 

そこに「釈迦(SAKYA)」と注釈がついていた。
これは僕らがカトマンズへ行ってから数年後のことだ。

 

カトマンズで会ったサキャ(SAKYA)さんは、紀元前5世紀ごろのお釈迦さまと同じ釈迦族の末裔ということになる。
サキャさんはお釈迦様のことについては何も話さなかった。僕もその時はまるで気がつかなかった。

 

仏教史を読んで「SAKYA」は釈迦族のことだとわかってから気になっていた僕は、インドへ行った時、同じホテルでたまたまカトマンズから来たネパール人と知り合いになり、尋ねてみた。
「SAKYAという名前は今も沢山あるのか」
と。
すると、カトマンズに今も「SAKYA」という人がたくさんいる地域があって、そこでは昔から同じ職業で生計を立てている人が多いとのこと。

 

そして僕らがカトマンズへ行ってから10余年経ってから、別の用件でカトマンズへ行く機会があった。
新しく開発が進んだカトマンズは中世の面影は全くとどめてはいなかった。

 

今も「SAKYA」の名前を持つ人が多く住むという地域へ行ってみた。
聞いた通り、そこではサキャさんが多く、真鍮の板を叩いて鍋などを作って売っている人が多かった。

 

あのサキャさんもこの地域の人で、ずっとさかのぼればお釈迦様と一緒の部族になる人だったのだ。

 

僕はその後、お寺の法要があり近在の坊さんが集まった時に、
「僕はネパールで、お釈迦さまの末裔族のSAKYAという名の人に会ったんですよ」
と誇らしげに言った。

 

しかし、誰も一顧だにせず、別の話に入り込んでいった。
僕の話はかなり嘘っぽく聞こえたようだ。

 

 

 

プロフィール

水彩風の男性写真

名前はコウゲン。
田舎のお寺の長男に生まれ、坊主になりたくなかった僕は、とにかく遠くへ逃げたかった。
出来れば外国へ。
その夢が実現してパリに10年住んだ後、日本に帰国してジュエリーブランドを創業。

帰国後に図らずも住職になってしまったものの、外国とのコンタクトは続く。

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営業時間 10:00~17:00
代表者名 奥谷千賀子(オクヤ チカコ)
E-mail info@imac-jewelry.com

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