日本で会社を設立したら【コウゲン編43】

日本で会社を設立したら

 

黒板に書かれたSTARTの文字とハート型の赤い花

 

imacイマック始動

僕たちは生活の本拠を日本に移そうとしている。
これまで僕らはそれぞれ独立で仕事をしてきたので、結婚したがお互い旧姓のままだ。

 

Cさんは日本の会社とパリのオートクーチュールのブランドのライセンスの窓口としての契約がある。
パリのデザインアトリエとの仕事も続いているし、デンマークのプレタメーカーとのデザイン契約もあって、姓名を変えるとややこしいのでそのままだ。

 

僕について言えば、日本で小さな会社でも始めて、何かビジネスを始めなければならない。
Cさんは彼女の仕事上、パリでいる時間が欲しい。
僕は早く日本で活動したい。

 

日本でビジネスをするためには、まず会社の名前を決めなければならない。
2人で色々考えて、
日本とパリだから「international(インターナショナル)」、
ファッションやモードだから「mode」(モード)、
そしてアートにこだわるから「art」(アート)、
したがって
「international mode & art company」(インターナショナル・モード&アートカンパニー)
が会社の名前に決まった。

 

それぞれの頭文字をとって
「imacイマック」
というのが正式な社名になった。

 

 

東京でマンションメーカーになる

ということで、パリのアパルトマンは残し、Cさんがいつでもパリで仕事をできるようにしておいた。
日本の本拠になる住居を決めるべく、僕たちはまだ歩けない赤ん坊のアレクシアを連れて東京に帰った。

 

いろいろ東京都内地図を見て、交通の比較的便利なところに、適当なマンションを借ることにした。
当時はマンションメーカーという言葉が流行っていた。
マンションを拠点にして活動している、小さなファッションメーカーのことを指した。

 

これまで日本経済を牽引して来た紡績、化繊と言った繊維産業の大企業がオイルショック以来、東南アジアの人件費の安い国に世界の需要を取られ、急速に勢いをなくしていた。
それに代わって付加価値の高いファッション商品が一般消費者に売れる時代になって、特に新しいファッションをシーズン毎に打ち出す、小さな既成服メーカーが活躍するようになっていた。
これがマンションメーカーである。

 

このまま僕らがファッション商品を作って売ればマンションメーカーになれる。
というように簡単にいかないのが世間というものだが、僕は何故かいつも楽天的に考えてしまう。

 

僕たちはパリでファッション情報を取材し、Cさんは僕以上に、ファッションには詳しいデザイナーで、プレタメーカーの仕事もしている。
だから僕たちも服を作ろうということになった。
簡単なTシャツから始めようということになった。
素材の生地メーカー、縫製メーカーの手配はついた。

 

 

マンションメーカーは難しい

そこで大事なのは売り先だが、それがわからない。
いろいろそれらしいコンタクトを取り、聞き回って紹介を受けた小売関係の仕入れ先に、商品を持って回った。

 

ファッション商品の小売チエーン店、有力な地方の個人ショップなど、全国の有力ショップのリストを作り商品を持って回った。
東京から始め、名古屋までのいくつかの目立つ町の紹介されたショップも行ってみたが、なかなか上手くいかない。

 

大阪、神戸、四国は松山市、遠く鹿児島まで行った。
どこでも商品は見てくれるが買ってはくれない。
このビジネスがそう簡単でないということが、やっとわかってきた。

 

マンションメーカーもなかなか難しい。
特に問題なのは注文したTシャツが納品されてきた時だ。
我々3人が住んでいるスペースが段ボールで塞がれてしまう。
在庫が残っている時は、動きも取れなくなる。

 

 

imacはファッションアクセサリーのブランドになる

商工会議所に相談に行った。
年配の相談員の方が来てくれて相談に乗ってくれた。

 

その方はメーカーに勤めて定年になった人で、商売のことがよくわかった人だった。
我々には商品として、Tシャツの他に、Cさんが惚れ込んで仕入れた手づくりヘアバレッタがあった。

 

これは小さな段ボールに入って、部屋の隅に一箱だけあった。
その中には沢山のヘアバレッタが入っていた。
横に積まれた多くのTシャツと同じくらいの価格のものが一つの段ボールに入っている。
その相談員は
「2種類の商品があるのであれば、困っているTシャツをやめて、かさばらないで、売りやすいアクセサリーに絞るのも一つの方法ですね」
と言ってくれた。

 

目から鱗(うろこ)の感じで、僕はすぐそうすることに決めた。
僕らはTシャツをやめて、ファッションアクセサリーのブランドになることにした。

 

 

プロフィール

水彩風の男性写真

名前はコウゲン。
田舎のお寺の長男に生まれ、坊主になりたくなかった僕は、とにかく遠くへ逃げたかった。
出来れば外国へ。
その夢が実現してパリに10年住んだ後、日本に帰国してジュエリーブランドを創業。

関連情報

主役になれるドレスアップジュエリー|imac(イマック)

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imac(イマック)は、日本人デザイナーのオリジナルデザインによってヨーロッパの工房で制作されたコスチュームジュエリーをお届けしています。おしゃれ心を刺激するモードなきらめきに溢れたネックレス、イヤリング、ブローチ、ヘアアクセサリーなどのアクセサリーが品のあるかわいらしさとトレンド感を演出します。大人の女性に人気があり、プレゼントにもおすすめです。

会社名 株式会社イマックジュエリー
住所 〒107-0062
東京都港区南青山4-17-33
営業時間 10:00~17:00
代表者名 奥谷千賀子(オクヤ チカコ)
E-mail info@imac-jewelry.com

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