パリでファッションカメラマンになる【コウゲン編9】
目次
パリでファッションカメラマンになる
ファッションに目覚める
『5月革命』後のパリでは、人々は今までの生活を取り戻し、僕も自分の仕事に専念できるようになった。
僕たちの日本の会社「N社」は僕がパリで手配したデザイン画、ファッション資料、ファッション情報などを販売することで、経営状況も良くなったようだった。
僕の生活も切り詰めながらも今までよりは、マシになった。
N社は得意先である日本の繊維関係の会社の人達がパリ出張に来るたびに、僕に案内するようとに言ってくるようになった。
そんな風にしながら、さすがのファッション音痴の僕にもファッションのことがわかるようになった。
パリではKENZOが人気があってそのコレクションはいつもファッション誌に大きく取り上げられたとか、
イブ・サン・ローラン(Yves Saint Laurent)のプレタポルテが人気があって、その店が若者が多いサンジェルマンの近くにできたとか、
そんなパリのファッション状況についてよく知るようになった。
ファッション情報カメラマンになる
そのうちにN社はパリのファッション情報を、街を歩く女性の写真を撮って簡単な解説をつけて送ってほしいと言ってきた。
これも商品になるらしい。
僕はファッション情報カメラマンになってしまった。
それからは人の多い週末には、若者の多いサンジェルマンあたりの交差点に立って、新しい傾向のファッションを身につけた女性の写真を撮りまくったのだ。
1970年代になって、僕はパリのファッションについてはかなり詳しくなっていた。
例えば、プレタポルテのブランドとしてはキャシャレル(Cacharel)とかダニエル・エシュテル(Daniel Hechter)とかがあり、ブティックではドロテ・ビス(Dorothee Bis)などがオリジナルコレクションで人気を博していた。
ソニア・リキエル(Sonia Rykiel)も登場してきた。
とにかく僕のパリ滞在も2、3年経って僕はかなりファッションづいてきた。
そして仕事としては順調だった。
何かおかしい
しかし、少しずつ困ったことが起こるようになった。
それは、僕の本社N社からの僕への送金が遅れるようになったことだ。
月給が振り込まれないということだ。
こちらは手持ちはない。
もちろんそのたびに電話をするのだけれど、好転はしない。
生活も初期の頃のように節約生活になってきた。
僕は本社がまた財政難に陥ってスムーズな送金ができないのかなと思って、辛抱をしていた。
プロフィール
名前はコウゲン。
田舎のお寺の長男に生まれ、坊主になりたくなかった僕は、とにかく遠くへ逃げたかった。
出来れば外国へ。
その夢が実現してパリに10年住んだ後、日本に帰国してジュエリーブランドを創業。
前回までのあらすじ
・ファッション資料を求めて、フランス移住【コウゲン編1】
https://imac-j.com/blog/france/1502/
・フランス移住後、ゼネストと仕事【コウゲン編2】
https://imac-j.com/blog/france/1506/
・パリでの初仕事~通訳事件【コウゲン編3】
https://imac-j.com/blog/france/1650/
・リヨンでの発見【コウゲン編4】
https://imac-j.com/blog/france/1768/
・パリに着いて1年後【コウゲン編5】
https://imac-j.com/blog/france/1773/
・リヨンとギニョール人形劇【コウゲン編6】
https://imac-j.com/blog/france/1812/
・パリの食生活【コウゲン編7】
https://imac-j.com/blog/france/1816/
・パリのファッションの変化【コウゲン編8】
https://imac-j.com/blog/france/1818/
関連情報
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