オーストリアメーカーの来日【コウゲン編83】
目次
オーストリアメーカーの来日
オーストリアとの関係が深くなる
スワロフスキーラインストーンを中心に扱うメーカー達が集まるオーストリアのその小村へ行けば、どんなアイテムでも制作可能だった。
Cさんと僕はオーストリアへは、年に2回は定期的に行った。
2回だけでは十分ではない場合もあった。
その場合は、パリでいることの多いCさんは、ファックスと電話でオーストリアのフランス人担当者BKさんと連絡を取り、新しいシリーズ作りをしていた。
そんな中でCさんが日本へ帰って、仕事をする時もあり、そんな時もBKさんと連絡をとって、制作はほとんど問題なかった。
しかし以前から遠い日本に関心があったBKさんは、
「自分が素材サンプルを持って、東京へ行く」
と言ってきた。
東京をイロイロ見たいし、寿司など日本食も食べたいらしい。
オーストリアからBKさんがやってくる
というわけで、BKさんはオーストリアの片田舎から、東京にやってきた。
六本木や渋谷、その他のファションとして見るべきところをCさんが教えて、彼女は1人で行ってきたようだ。
彼女が日本へ持ってきたサンプルで、Cさんもある程度仕事はできたようだ。
我々がオーストリアへ行けば、各メーカーを回ることによって、それぞれのメーカーの得意技術を駆使したシリーズをもっと注文することができる。
今回はそれはできないが、それなりのことは十分できたらしい。
それよりも、今回はBKさんにとって、初めての日本だ。
そこで、Cさんとの仕事を終えてから、午後遅くから日本らしいところを少しでも見てもらおうということになって鎌倉へ行った。
北鎌倉の円覚寺がまだ開いていた。
ライトアップもされていて、BKさんは
「Kamakura by night !」
と言って喜んで、初めての日本のお寺を観賞していた。
時間のない中で文字通り短い時間の鎌倉見物だったが、BKさんにとっては、六本木や渋谷のような現代の東京と、鎌倉のお寺のような伝統的な場所もかいま見て、印象に残る日本滞在だったようだ。
BKさんはポルトガルの宣教師と同じことをいう
彼女が発つ時に、
「日本はどうだった?」
と聞いたら、彼女曰く
「日本はどこへ行っても、ゴミなどがなくキレイなのが、印象に残った」
と言っていた。
僕らにすればオーストリアの田舎町も、その道路もキレイに見えるが。
あまりわれわれ日本人は気が付かないことなのだが、そのような言葉はヨーロッパの人からは時々聞くことがある。
そして興味深いのは、昔ポルトガルから宣教師達が来たとき、彼らが手紙や手記に日本の印象を伝えた中に、
「日本はどこへ行っても街や道路がキレイだ」
と書いていると本で読んだことを思い出して、BKさんも同じことを言うなと感じた。
これは日本人が、ずっと昔から変わらずに持っている生活習慣的なものがあるのかもしれない。
日本では、お互いに自分たちの家の周りはキレイにしておく。
そんな習慣が、町全体をキレイに見せているのかもしれない。
そしてそれは、かなり昔からある習慣のようだ。
ヨーロッパでは道路などは、町などから派遣される掃除専門の人がいて毎朝掃除をしに回ってくる。
自分の家の前でも、一般の人は道路の掃除はしない。
だからストライキがあったりして掃除人が来ないと、街や道路はゴミの山ができたりする。
BKさんは、室町時代に日本に来たポルトガルの宣教師と同じような日本印象を感じて、帰っていった。
それからBKさんは年に一回は日本に来て、Cさんと仕事をするようになる。
プロフィール
名前はコウゲン。
田舎のお寺の長男に生まれ、坊主になりたくなかった僕は、とにかく遠くへ逃げたかった。
出来れば外国へ。
その夢が実現してパリに10年住んだ後、日本に帰国してジュエリーブランドを創業。
帰国後に図らずも住職になってしまったものの、外国とのコンタクトは続く。
関連情報
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〒107-0062 東京都港区南青山4-17-33 |
営業時間 | 10:00~17:00 |
代表者名 | 奥谷千賀子(オクヤ チカコ) |
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