フランスから物申す～我が社の経営陣に問題あり

 

 

我がN 社からの送金こない

1970年代になって、パリでは新しい流れのファッションはKENZOなどの若いクチュリエ（ファッションデザイナー）を中心に、ますます盛んになった。
それにつれて日本の繊維産業関係の景気も良くなって、わがN社が、僕にパリ案内を依頼してくる日本からの出張客も多くなった。

 

僕のパリでの仕事は一人でやらなければならないだけに、より忙しくなってきた。
しかし、我がN社からの僕への送金は、いつも遅れることに変わりはなかった。

 

とても気になる我がN 社の事

そんな日本からの出張客のある人と我がN 社のことを話していて、とても気になることがあった。
その人いわく

『あなたの会社の社長は豪勢な生活をしていますね。』

と言うことだった。

 

僕への送金が遅れるたびに、社長に電話で催促をするといつも、
『資金繰りがしんどくて、、、。すまないがもう少しまってほしい。』
ということが多かった。僕が日本にいたときにも、創立して間もないだけに資金的にしんどい時が多かった。
それだけに遠く電話で、それを聞くと僕は我慢をしなければと思っていた。

 

我が社の経営陣に問題有り

その時僕は日本を離れてすでに2年ほど経っていて、パリでの仕事に、1人で追われていて、日本の本社N社の経営事情については、任せきりでまったくわからなかった。
それだけに我が本社の社長の予想外の話しが気になって、この日本からの出張客に色々聞いてみて驚いた。
大きな車に乗って毎晩飲みまわっているという。
その人の話はまんざら嘘でもなさそうだ。

 

毎月の送金も受け取れない僕にとっては考えられない生活を、我が本社の社長はしているらしいと言うことがわかった。
僕はもちろん腹が立った。
僕はすぐこのことを問い正すべく我が本社の社長に電話した。
話をして、大体大すじではその様な事らしいと言うことがわかった。
数ヵ月僕への送金が遅れたり、なかったりして僕は、ずいぶん節約生活で辛抱をしてきた。
それだけに腹が立つとともに、本社の経営の問題点を僕も入れて解決する必要があると痛感した。

 

僕を入れて5人で設立した会社だ。
遠い国で一人で仕事をして、滞在するということが、しかも十分な送金もなしに、どういうものかを想像ができないらしいということがわかってきた。

 

帰国して経営陣を立て直す必要

それを理解させ、これからの我がN 社を正常な経営の軌道に乗せて行く為には、僕が日本へ一時帰国する必要がある。
しかし、僕には送金が遅れているため、航空券を買う金がまったくない。
それをまず送らせることが先決だ。

 

我が本社の社長に電話をして、これからの我が社の経営について話しに帰国をしたいので、まずその航空券の費用を送金するよう頼んだ。
ところが、これがうまくいかない。

 

 

プロフィール

名前はコウゲン。
田舎のお寺の長男に生まれ、坊主になりたくなかった僕は、とにかく遠くへ逃げたかった。
出来れば外国へ。
その夢が実現してパリに10年住んだ後、日本に帰国してジュエリーブランドを創業。

 

 

前回までのあらすじ

・ファッション資料を求めて、フランス移住【コウゲン編1】
https://imac-j.com/blog/france/1502/
・フランス移住後、ゼネストと仕事【コウゲン編2】

https://imac-j.com/blog/france/1506/

・パリでの初仕事～通訳事件【コウゲン編3】

https://imac-j.com/blog/france/1650/

・リヨンでの発見【コウゲン編4】

https://imac-j.com/blog/france/1768/

・パリに着いて1年後【コウゲン編5】

https://imac-j.com/blog/france/1773/

・リヨンとギニョール人形劇【コウゲン編6】

https://imac-j.com/blog/france/1812/

・パリの食生活【コウゲン編7】

https://imac-j.com/blog/france/1816/

・パリのファッションの変化【コウゲン編8】

https://imac-j.com/blog/france/1818/

・パリでファッションカメラマンになる【コウゲン編9】

https://imac-j.com/blog/france/1820/