大阪に喜ぶフランス人【コウゲン編95】
目次
大阪に喜ぶフランス人
VGメーカー夫妻達は心斎橋、道頓堀を僕より詳しくなった
VGメーカー夫妻達は大阪滞在を最高に楽しんだらしい。
ものづくりの職人としてVGオーナー氏はペンチなどの道具類を探し回ったようだ。
100円ショップや近くにある道具屋街も見つけて、彼が持っていない道具をイロイロ見つけたと、僕に見せて感激していた。
そして値段の安さにも感激していた。
女性たち2人は商店街の店々を見て回り、彼女達にとって珍しい物がイッパイあって、ほとんどの店をひやかして回り、大いに楽しんでいたようだ。
彼女達は買い物はそれほどしなかったらしいが、どこの店でも店員達は、親切で明るく相手をしてくれたらしい。
大阪の心斎橋筋商店街あたりの店については、もう彼らの方が、僕よりよく知っているようだった。食べる物についても、安くて美味しい店を僕に教えてくれた。この日も相変わらず寒かったが、彼らは寒さ対策も充分にしたらしく、何も言わなかった。
VGメーカー夫妻達に京都へ行くことは提案しなかった
僕は案内人としては、大阪では何もする余地がなかった。
彼らは大阪であまりにも楽しそうだったので、僕は彼らに京都のことは何も言わなかった。
VGオーナー氏も女性2人も心斎橋界隈の面白さに夢中になっている。
それを見ると彼らにとって京都の古寺を見てまわるよりも、大阪にプラス一日をついやす方を選ぶであろうと僕は推察したからだ。
それと、そうした方が僕は楽だということもあった。
結局彼らはもう1日、心斎橋、道頓堀あたりを楽しんで回って、大阪滞在を大満足で締めくくった。
次の日、東京へ向かう新幹線の中で彼らの話をイロイロ聞いた。
大阪での話をすると、フランス人らしく話は止まらない。
ショッピングをした店員達とのカタコトの話の面白かったこと、食べた物の安くて美味しかったこと、大阪での話ばかりで、奈良の話は出てこない。
奈良のことを聞くと、寒かったこと、法隆寺のそばの小さなホテルも寒かったらしい。
大阪でも同じように寒かったのに、それは言わない。
日本には
「イロイロな日本があるね」
という話になって落ち着いた。
プロフィール
名前はコウゲン。
田舎のお寺の長男に生まれ、坊主になりたくなかった僕は、とにかく遠くへ逃げたかった。
出来れば外国へ。
その夢が実現してパリに10年住んだ後、日本に帰国してジュエリーブランドを創業。
帰国後に図らずも住職になってしまったものの、外国とのコンタクトは続く。
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