僕はやはり帰りたくない【コウゲン編54】

僕はやはり帰りたくない

 

夕暮れのプラットフォームで電車を待つ男性

 

僕は浦島太郎になった

大阪、神戸、東京とお寺から逃げて、離れて住んで、それからパリへ行き10年、そして日本に帰ってimac(イマック)を始めて苦戦して、今ではもう村の檀家たちと会うのは約20年ぶりになる。
浦島太郎の話があるが、僕の実感としてはまさにそんな感じだった。

 

村に帰った。
村の佇まいは全く変わらない。

 

ある家で嗅いだギンモクセイの匂いも、そのままだ。
よく覚えている。

 

ただ、村の辻々で遊んでいる子供達の顔に見覚えがない。
彼らも僕を見ても反応をしない。
よく見ると、村の知り合いの誰かに似ている。
「彼の息子かな?」と僕は思う。

 

後でわかったのは、息子ではなく、孫であったという。
それだけの月日が経ったということだ。

 

村の家々の様子は全く変わっていない。

 

 

村の檀家総会

そしてその日の夜、村の集会所で檀家総会が開かれた。
僕は1人の席に着くように言われ、檀家たちは相対する形で前に座る。

 

出席のメンバーは皆んな良く知った顔だ。
ただ、僕が子供の頃一緒に遊んだ人たちも多い。
僕の年上も多いが、年下もかなりいる。

 

まず、皆んなと旧交を暖め、挨拶をし合った。
年上の大先輩もいるし、すぐ上の先輩もいる。
その中にはもう既に、渋い顔をしている人もいる。
これはこの総会で、僕に対して厳しい注文を、つけてくる顔だ。

 

だが、僕よりも年下も半分近くはいる。
これは心強い。

 

彼らとは子供の頃、僕は対等に遊んだか、年下であれば僕が遊んでやった。
こうして、話していると、20年前の仲良く遊んでいた感じが、そのまま甦ってきて、1人の被告席で緊張していた僕も、少しは気が楽になってきた。

 

その時、檀家総会のリーダーの司会で、今回の総会の本題に進むことになった。
寺の住職継承問題が議題だ。
僕が寺のことを、どうするのかを問い詰めるのが、今日の檀家総会が開かれた目的だ。

 

僕はどうする?

 

 

僕はやはり寺に帰りたくない

僕は軌道に乗りつつあるimacのことがあるし、寺には帰りたくはない。
村の檀家は僕にお寺に住職として住んでくれという。

 

この瞬間も、僕にはどう話をつけたらいいのかわからない。
檀家総会は本題に入っていく。

 

 

 

プロフィール

水彩風の男性写真

名前はコウゲン。
田舎のお寺の長男に生まれ、坊主になりたくなかった僕は、とにかく遠くへ逃げたかった。
出来れば外国へ。
その夢が実現してパリに10年住んだ後、日本に帰国してジュエリーブランドを創業。

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営業時間 10:00~17:00
代表者名 奥谷千賀子(オクヤ チカコ)
E-mail info@imac-jewelry.com

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