僕はずっと逃げていた【コウゲン編53】

僕はずっと逃げていた

 

青空を背景に線路を歩く男性

 

僕はずっと逃げていた

僕は奈良の田舎にある、お寺の長男に生まれ、大学卒業まで、お寺に住んで、毎日の檀家詣りもしていた。
それを経験して、どうしてもそれを継ぐのが嫌だった。
とにかく、自分の将来の夢は、この寺で坊主にならないことなら、何でもよかった。

 

お袋は、寺でない普通の家から寺に嫁いできた。
寺の伝統行事や、その他の寺に関する諸事については、何も知らなかった。
彼女の夫、すなわち我々の父親は、不幸なことに我々、子供が小さい時に、病気で亡くなった。

 

そのため彼女は経済的だけでなく、寺のことでも、ひとかたならぬ苦労をした。
それだけに、僕が寺から離れたい気持ちを、よく理解してくれていた。
そのおかげで、僕はいつも、遠くへ遠くへと、逃げることができたのだった。

 

羽田からパリへ発つ時、そのお袋から
「いつ頃帰る?」
と聞かれ、僕自身その時は、見当もつかないまま
「1年位かな」と答えたことを覚えている。

 

そして結果として、パリ在住は、10年余りになってしまった。
お袋にはそれほど、甘えてしまったことになる。
それでもお袋は、お寺に帰ってくれとは言わない。

 

けれど今回、高齢のお袋に対して、村の檀家たちがそんな話をしてきた以上、僕が直接檀家たちと話をするしかない。
僕はお袋に、僕が檀家たちと話をするために帰る旨を、伝えるように頼んだ。

 

檀家たちは僕に早くお寺に住んで、住職としての仕事をしてほしいという。

 

 

imacアクセサリーは起動に乗りそうだ

一方、imac(イマック)アクセサリーは、ファッション雑誌へ露出は増え、百貨店への出店も増え、会社としてもスタッフも増え、何とか軌道に乗りそうになってきた。
外国のメーカーとの交渉事が多いだけに、僕は今、そこから力を抜くことはできない。
春夏、秋冬といったファッションの変わり目にはパリでプレタポルテやアクセサリーの展示会がある。

 

Cさんはその時はパリにいるが、僕もメーカーたちとの交渉事があるので、行かなくてはならない。
そして地方の百貨店への出店もあっただけに、地方への出張も増えていた。
imacの仕事だけで時間はイッパイ、イッパイだ。

 

 

檀家総会が待っている

そんな中で、奈良のお寺のことはどうするか?
檀家は、僕にお寺に帰って、坊主に専念せよという。

 

お袋から、村の檀家たちは僕が話合いに寺に帰る日には、檀家総会を開いて待っているとの電話があった。
僕の都合も入れて、話し合いの日も決まった。

 

僕がお寺を逃げて、神戸、大阪、東京と国内で8年ほど逃げていて、そしてパリに行って10年経って日本に帰ってきた。
約18年ぶりに檀家たちと会うことになる。どんな話合いになるのか。
見当もつかない。

 

 

 

プロフィール

水彩風の男性写真

名前はコウゲン。
田舎のお寺の長男に生まれ、坊主になりたくなかった僕は、とにかく遠くへ逃げたかった。
出来れば外国へ。
その夢が実現してパリに10年住んだ後、日本に帰国してジュエリーブランドを創業。

関連情報

主役になれるドレスアップジュエリー|imac(イマック)

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を販売しています。おしゃれ心を刺激するモードなきらめきに溢れたネックレス、イヤリ
ング、ブローチ、ヘアアクセサリーなどのアクセサリーが品のあるかわいらしさとトレンド
感を演出します。大人の女性に人気があり、プレゼントにもおすすめです。

会社名 株式会社イマックジュエリー
住所 〒107-0062
東京都港区南青山4-17-33
営業時間 10:00~17:00
代表者名 奥谷千賀子(オクヤ チカコ)
E-mail info@imac-jewelry.com

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